関西各地を巡りながら撮影を行うプロジェクトの一環として、
今回は奈良県桜井市・初瀬にある「素盞雄(すさのお)神社」へ。
大手自動車メーカーの映像撮影のため、早朝から現地に入りました。
この神社の境内には「初瀬のイチョウ」と呼ばれる大樹があります。
奈良県指定の天然記念物にもなっており、
樹高は約35m、幹回りは7mを超える巨木。
秋には黄金色の葉が一面に広がり、
まるで地面まで光を放つような圧巻の風景が広がります。

今回の撮影は早朝の静かな時間帯。
機材のセッティングが進む中、
まだ陽が差しきらない薄明の境内が少しずつ金色に染まっていく。
自然光の変化に合わせてカメラポジションを微調整しながら、
“朝の光に包まれる車体”というシーンを狙いました。

ロケーションとしては、紅葉や桜の名所で知られる長谷寺のほど近く。
古くから信仰と自然が共存する地域であり、
その落ち着いた雰囲気が今回のブランドイメージともよく合っていました。
現場では、落葉のタイミングを見極めながら、
地面の黄葉と車体の映り込みを活かすアングルを追求。
限られた朝の時間でしたが、イチョウの存在感が
映像全体に深みを与えてくれました。

撮影が終わるころには、地面一面が黄金色の絨毯。
静かな境内にカメラのシャッター音だけが響き、
自然の力と風景の美しさを改めて感じる瞬間でした。
関西の各地で続くこのプロジェクト。
自然の持つ“光”や“質感”をどう映像に取り込むか、
毎回現場で学ぶことが多くあります。
また次の撮影地でも、その土地ならではの表情をお届けできればと思います。